親知らずの抜歯は、一度ご来院いただきレントゲン写真を撮影させていただきます。その後、必要であればCTを撮影させていただき、オペのお約束をとらせていただきます。
治療のお時間は麻酔の導入から抜歯までで、正常抜歯であれば約1時間ほどで治療を行います。
また、静脈内鎮静法を用いた抜歯では、お体の状態を確認させていただき麻酔科医同席の上、治療させていただきます。
静脈内鎮静法を用いた抜歯を行った場合、麻酔から覚醒するまでに1時間ほどお時間をいただいております。鎮静下で行うことで半分眠っているような状態で抜歯することができます。
親知らずとは
親知らずは奥歯のさらに奥に生えてくる歯であり、かつては通常の奥歯として使われていました。しかし食生活の変化によって現代人は顎が小さくなり、横を向いたり斜めになって生えたりして強い痛みを初めとするさまざまなトラブルを招きます。そのため、多くの場合抜歯が必要となります。
親知らずを抜いた方がよい理由
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理由1手前の歯を虫歯にしてしまう
- 親知らずが手前の歯を押すように生えている場合、その間の部分に汚れが溜まりやすくなって手前の歯を虫歯にしてしまうこともあります。
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理由2親知らず自身が虫歯になっている
- 正しい向きで生えない親知らずはブラッシングがしにくく、虫歯になりやすいのが特徴です。歯ぐきに覆われている部分は見えないため、レントゲン検査が必要です。見えないところで虫歯が進行していることもあり、急に痛みが出て抜歯するというケースも少なくありません。
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理由3歯ぐきが腫れて痛む
- 親知らずは歯ぐきに上部を覆われていることが多く、覆っている歯ぐきと親知らずの間に汚れが溜まり痛みが生じます。覆っている部分が少なければ歯ぐきを少し切るだけで対処できますが、覆っている部分が大きい場合、腫れや痛みがくり返されます。このような場合には、抜歯をおすすめします。
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理由4親知らずが生えかけて痛む
- 親知らずは奥歯のさらに奥の歯ぐきを破って生えてきます。このとき汚れが入り込むと、歯ぐきが腫れて痛みが出ます。また片顎だけ先に親知らずが生えてくると、噛み合う部分の歯ぐきを咬んで痛みが生じることもあります。
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理由5手前の歯を押して歯並びを乱す
- 傾いて生えてきた親知らずは、手前の歯を強い力で押して歯並びや噛み合わせを乱すことがあります。
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理由6口臭の原因になっている
- 親知らずは汚れが溜まりやすいため、虫歯・歯周病を引き起こしやすいのが特徴です。併せて口臭の原因にもなります。
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理由7顎やのどに痛みが出る
- 親知らずと歯ぐきの間から顎の中に細菌が入り込めば、顎が化膿して痛みが生じます。さらに親知らずの腫れはのどのやわらかい組織にも広まり、のどが赤くなって何かを飲み込むときに強い痛みが出ます。
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理由8頭痛の原因になっている
- 上の親知らずは、歯根が鼻の上にある空洞「副鼻腔」に近い部分に位置しています。歯根の先端が感染して副鼻腔に広がると、頭痛や鼻づまりを引き起こすことがあります。
静脈内鎮静法を用いた抜歯
静脈内鎮静下親知らず抜歯の費用
正常抜歯 | 150,000円(税込 165,000円) |
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埋伏抜歯 | 200,000円(税込 220,000円) |
抜く必要がある親知らずと、抜かなくていい親知らず
親知らず自身や手前の歯に問題がある場合、親知らずは抜いたほうがいいといえます。逆に何も問題なく正しい向きで生えているものは、抜く必要はありません。親知らずを抜く・抜かないの判断は診察をしてみないと行えませんので、まずは一度ご来院ください。
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抜く必要がある場合
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- ・周りの歯ぐきが炎症を起こしている
- ・親知らず自身や手前の歯が虫歯や歯周病になっている、なる可能性が高い
- ・手前の歯を押して歯並びや噛み合わせを乱している、乱す可能性が高い
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抜かなくてもいい場合
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- ・歯ぐきに問題が起きていない
- ・奥歯として機能している
- ・将来的に移植治療などに使える可能性がある
親知らず抜歯後の注意点
当日は安静にする
抜歯した当日は、激しい運動や長時間の入浴、飲酒など血流を促進するような行為は控えましょう。
止血について
出血が続く場合、ガーゼや丸めたティッシュを軽く咬んでいれば30分程度で血が止まります。但し歯ぐきを切開した場合には、にじむ程度の出血が翌朝まで続くこともあります。長時間止まらない場合には、一度お電話ください。
抜いた部分を触らない
親知らずを抜いた部分が気になっても、舌や手で触らないようにしましょう。
極力うがいをしない
多少の出血があるとうがいをしたくなるかもしれません。しかし強いうがいは、せっかくできたかさぶたの役割を持つ血の塊を流してしまうことがあるため極力控えましょう。
食事
食事は手術後3~4時間後にとるようにしてください。食べるものは、初めは流動食または半固形食品にし、おかゆやうどん、豆腐、スープ、プリン、ヨーグルト、ゼリーなどを食べるようにしてください。その後傷の治り具合を見ながら、少しずつ硬さのあるものにしていきましょう。
ブラッシング
抜歯した当日はブラッシングを控え、やさしく口をゆすぐのみにしましょう。翌日からはブラッシングをしてもいいですが、1週間以上は抜歯した部分に歯ブラシが当たらないよう注意してください。